建築と2足のわらじー天職に出会った映像クリエイターCHANGOと考える、家庭とやりたいの両方を大切にする方法

 

11月11日に開催された、第4回「Art Human Festa2018」。出店した若手クリエイター=アートヒューマンたちに、「日々のモノづくりで考えていること」、「モノづくりに賭ける想い」について聞くインタビュー企画の第6弾です。インタビュイーは、ART HUMAN プロジェクトでも、アートヒューマンの紹介動画作成を担当している、映像クリエイターのCHANGOこと尾方剛さん。

 

 

平日は建築会社でバリバリと働いているというCHANGOさん。本業を持ち、家族を守りながら、空いた時間で夢を叶えることは可能なのか? また、彼が意図せずのめり込んでしまった、映像制作の魅力とは? ぜひご覧ください。

 

 

INTERVIEW FILE 06 CHANGO ー GO OGATA

 

 

 

 

気づいたら映像に戻ってた、やっぱり一番しっくりきた

 

 

――CHANGOさんは、映像クリエイターとしての仕事をしながら、平日は建築会社で働かれているそうですね。

 

月曜日~金曜日は、がっつり建築の仕事をしていますね。

 

 

元々、音楽が好きだったんで、レコーディングエンジニアになるために音大に入りました。同時に、自分の食費を稼ぐために週4日コンビニで夜勤のバイトをしてたんですが、その生活をしている間ずっと、体力的にはキツいのに、時間にもお金にも全然余裕がなくて。



その時ふと思ったんですね。「これ、レコーディングエンジニアになっても、同じ生活状況になるな」って。才能ある人がたくさんいる業界で、よっぽど売れっ子にならない限りは、バイトをしながら音楽活動を続けていくことになるぞって。

 

僕はもともと、生活していく中での最終目標が「家族を持つこと」だったので、音大に入るまでは「好きなことを仕事にできたらいいな」みたいな甘い考えだったんですけど、学校とバイトの往復生活から、音楽で食べてくことの難しさに気付いてしまったんですね。それで、手に職をつけようかと考えていた時に、たまたま実家の建築会社で欠員が出たらしく「うちで働くか?」と親父から言われて。

 

はじめは、とりあえず1~2年くらい働いてみようかな? くらいの感じだったんですが、今の奥さんと結婚したいと考えたときに、家庭を守っていくためには「夢とか言ってらんないな」「もう真面目に生きていこう」と腹を括って。

 

音大に退学届を出し、正式に実家の会社で働きはじめました。3年生の時です。

 

 

――第一目標だった「家庭を築く」ために、手に職をつけつつ、安定した収入を確保できる建築会社で働くことを選択されたと。そこから、どういう流れで、映像づくりに乗り出すことになったんでしょうか。

 

結婚後3年くらいは建築の仕事に集中してたんですが、働き始めてみると建築には繁忙期がある一方で、暇な時期もあったんです。ちゃんと土日休みもあったし、そういう隙間時間に、映像制作をやってみようと思いました。

 

きっかけは、Instagramのストーリーです。色んな人があげてる動画を見て、これなら自分でも作れそうだなと。そして僕が好きな「デュードパーフェクト」という、8人編成で活動しているアメリカのおっちゃんYotuber集団がいるんですが、どうせ投稿するなら、彼らがあげているようなかっこいい映像を撮って載せたいと思いました。

 

「デュードパーフェクト」は、スケールが大きいピタゴラスイッチみたいな、規格外のトリックショットを撮るんですが、それがめちゃくちゃかっこ良くて。地元の子たちと一緒に「こんなんがやりたい!」とボーリングをそれらしく撮影・編集した映像を、Instagramに投稿したのがはじまりです。

 

それから映像を撮っては編集して投稿するみたいなことを日常的にするようになっていくうちに、仕事場の職人の先輩から「今度娘が結婚式をあげるんで、その時に流す、生い立ちが分かるビデオを作ってほしい」と依頼があったんです。

 

僕としては、同じ映像でも、好きで撮ってた方向とかなり違う依頼が来たことに少し戸惑ったんですが、引き受けてやってみたら、「すごく感動した。めちゃくちゃ感動した!」って言ってもらえて。それが職人の間の口コミで広がり、結婚式で流す映像作りをどんどん依頼されるようになりました。

 

職人のみなさんは、動画づくりのこととか何も分からない中で、「無理言ってごめんね。DVDはどれを買ってきたらいいのかな?」「大変だよね、みんなでピザ持ち寄るから、食べながらやってね」とか気遣ってくれるんで、その気持ちに応えようと思って続けているうちに、映像作りがどんどん楽しくなって、気が付いたらすんごいハマッちゃってた自分がいました。

 

元々兄貴の影響で、小さいころから映画を見るのが大好きでした。同い年の友達がゲームにハマっていく中、僕は兄貴とハリウッド映画を見て、その世界にどっぷりと浸って。そのうちビデオカメラを借りて撮影する遊びがお気に入りになり、小学校一年生の時は「俺は将来絶対映画監督になる!」と言ってたようです。でも子どもの夢って成長する中で、コロコロと変わっていくじゃないですか。パイロット、サッカー選手、レコーディングエンジニアと、様々な、なりたい自分を経て、結局映像に戻ってきたというか。映像づくりが今までやってきた何よりもしっくりくるのを感じました。

 

 

二足のわらじに抱える葛藤

 

 

――そこから本格的に二足のわらじを履くようになるのには、何かきっかけがあったんでしょうか。

 

アートヒューマンプロジェクトの運営をしている松下さんに出会ったのが、きっかけの1つです。僕の大学の後輩に「NOZOMI PIENA:TA」っていうシンガーソングライターがいるんですが、熊本でライブをするんで見に来てくださいって連絡をくれて。当日撮影した動画をInstagamにアップしたら、それに松下さんが反応してくれて、会うことになりました。

 

そのライブの後援を、松下さんの会社がしてて、目に止めてくれたみたいなんですが、そこからちょこちょことお仕事をいただけるようになって、今も色々と撮らせてもらってます。

本格的に映像の仕事をしていきたいと思った理由はもうひとつあって、松下さんと出会った同じくらいの時期に、僕の投稿動画を見てインスタにDMをくれた人がいたんです。福岡でライター活動をしたり、写真を撮ったり、結構マルチに活動している30歳くらいの人なんですが、「今度長崎で野外フェスがあるんで一緒に行きませんか?」と。アフロジャックなどの海外のDJが集まる、九州最大の音楽フェスだったんですけど、その「JAPAN FILMチームに同行していいよ」と言ってもらったんですね。

 

ちょうど建築も暇な時期だったんで行くことができたんですが、現地で集まったクリエイター同士で、自分の撮った動画を見せ合うことになって。

 

 

そこで出会った21歳のクリエイターの子が、ずっと年下なのにもかかわらず、圧倒的な映像を作ってるのを見て。すごい悔しくて。同時に熊本でこういうかっこいい映像を作ってる人いないなって。それ以降、僕も趣味じゃなく、みんなみたいに「ちゃんと仕事としてやっていきたい」「熊本からかっこいい映像を発信したい」っていう気持ちが強まり、奥さんに相談して、そこから正式にお仕事として映像制作を引き受けるようになりました。

――建築業界で働きながら、隙間時間で映像制作もするって、すごくハードなんじゃないですか?

 

現状はまだスポット受注だけなんで、まだまだ副業やバイト感覚ですね。メインの仕事は変わらず建築です。受注が増えてきて課題が生じたら、そのときにきちんと考えようかなと思ってます。


……今後は仕事をくれるみんなの期待に応えるためにも、なるべく時間を割いて技術を磨いていかなきゃいけないし、自分の好きなことを仕事に出来るなんて素敵だなと思ったりするんですが、今年子どもも生まれたし、今はまだ建築を辞めて映像1本でやっていこうとは言えない状況ですね。

 

だけどなあなあでやっていくのは嫌だし……同時に、働く中で建築を好きになった自分もいて、正直今はまだ悩みながら、二足のわらじを履いている状態です。

 

 

裕福だった家庭が急に傾いたー子どもの頃の経験で養った“客観的な目線”を映像制作に生かす

 

 

――なるほど。他に取材したアートヒューマンの方たちって結構、自分のやりたい一つのことに向かって猪突猛進! みたいな方が多い中で、CHAGOさんは、冷静に自分の状況を客観視されているというか。慎重に選択をされている印象を受けます。

 

そうやって常に客観的に物事を見て判断しちゃう癖がついちゃってるんで、前に進めないこともあるんです。危ない橋は渡れないというか……それが僕の悩みでもあります。子ども時代の体験が、今でも根強く僕の記憶に残ってることが大きいのかな。

 

ーー子ども時代の体験ですか。

 

リーマンショックの影響で、今働いている実家の建築会社が経営難になって、家が傾いた時期がありました。

 

今でもはっきり覚えているんですが、中学1年の時に、日本VSベルギーのサッカー試合が熊本であるからみんなで見に行こう! と友人間で盛り上がり、急いで家に帰って「日本代表の試合見てくるから1000円ちょうだい!」と親に言ったら「そんなの見に行かなくていい」って言われて。

 

それまで、子どものためになるような機会にはお金を惜しまないタイプの親だったから、びっくりして。しつこく行きたいって言ったんですが、中学1年生って思春期の真っただ中じゃないですか。「そんなお金あげない」と言われた途端、僕もブチ切れちゃって「もういい行かない!!!」と啖呵を切って、友だちには「用事でどうしても行けなくなった」と断りの連絡をいれたんですが、当時うちの家から、スタジアムが見えたわけですよ。

 

部屋に籠ってたら、歓声とかがすごい聞こえてくるんです。その1000円を貰えなかったことが、当時すごくショックで。

 

でも、何か月後に「あ、今家が苦しいんだ」っていうのが、少しずつ分かってきて。それまで、親父が頑張って成功して、生まれた頃から裕福に暮らしてこれてたんで、突然家が傾いたことに、すごい衝撃を受けて。そういう状況を友達にも悟られないように頑張ってた自分がいたんですけど、その経験を通していかにお金が大切かを学んだし、その僕がもらえなくて憤慨した1000円を稼ぐことがどれだけ大変かっていうのを、大学のコンビニバイトで知るわけですよ。

 

――週4でしていたというコンビニ夜勤のバイトで、ですね。

 

色んな問題を天秤にかけて、僕が「大学行かないわ」と言ったら、親は「家のことは心配しなくていいから、やりたい進路に進みなさい」て言ってくれて。じゃあレコーディングエンジニアになりたいからって音大へ行かせてもらったんですけど、当然それなりの学費がかかるわけです。

 

実家はどんどん回復には向かっていたんですが、俺が大学行ってなかったらもっと楽できるんだろうなと、色々状況を見て、お金のことを考えちゃって。だから、今の彼女と結婚したいとなったときに、それならもう早く大学を辞めて会社に入ろうと決めて……そのまますごく迷いながら今に至っている感じです。


 

――そういう葛藤を持ちながら活動されていたというのは、なんだか意外でした。すごく強気で自信満々に見えるというか……でも、少しずつでも、やりたい映像に割く時間が増えてきているのは、とにかく機会があれば「まずはやってみよう」「行ってみよう」と行動されたからですよね。

 


そうですね……親父がどんな状況でも僕ら家族や従業員を守る姿をずっと見てきたんで、今ある家庭や仕事を疎かにすることは絶対にしたくないんですが、そこに迷惑がかからず、自分が頑張って調整すれば叶えられる機会には、全部トライしてきてはいます。

 

 

「裏方が大好き」ー映像技術でみんなや熊本の魅力を底上げしたい

 

 

ーー平日夜の時間を活用しているのも、そうですよね。それに、過去の経験から、常に一歩引いた客観的な目線を持っているって、すごい強みだと思います。主観を押し付けて作るのではなく、主観的と客観的の目線を行き来させて対象の魅力を引き出すことができるから、より多くの人が共感できる映像を作り出せるんじゃないかと。

 

うーん。自分が主役になるよりも、裏方として支えるのが大好きな人間ではあります。建築の仕事も、ある意味暮らしをサポートする縁の下の力持ちみたいな仕事だから、働く中で興味が強まってきたんだと思いますし。例えば実際の業務においても、メインを担当している人のサポートが好きで。なんか足りないってなった際には、自分が真っ先に動いて、トップの職人さんたちが苦しい状況を突破できるよう尽力する。それがうまく行くと、役に立てたなって満足、満たされるみたいな(笑)。

――客観的な目線を持っているなどの強みだけでなく、その人やモノのファンを増やして、やりたいことを叶えていく過程を全力でサポートできる映像制作職は、CHANGOさんにとって、一生満たされながら働ける、天職なのかもしれませんね。今後の映像制作への関わり方はゆっくり考えていかれるということですが、この先映像制作を進めていく中で、力をいれていきたいことや叶えていきたいことなどありますか?

 

映像編集をもっと身近な存在にして、熊本のPR動画のクオリティを上げていきたいです。

 

何故か、映像を撮る=高級な機材がたくさん必要みたいなイメージを持っている人が多いんですが、実は全くの逆で、撮り方を工夫するだけで、すごく格好良く撮ることができるのが映像なんです。そのためのアプリも、今は使いやすいものがたくさんあるから、みんなが思ってるよりも安価で撮れるというか。iPhoneでも十分良い映像が作れます。

 

そもそも良い映像って何? みたいなことで言うと、映像編集のクオリティが低くても、感動しちゃう映像はたくさんあるし、明確な均一化された基準なんてどこにもないんですよ。だから、あんまり深く考えすぎず、まずは日常を気軽に撮ってみて、アプリで楽しく加工してみてほしい。それで充分、格好良い映像を作ることができるってことを体感してくれたらと思います。

 

そういう想いもあって、先日のART HUMAN FESTA2018では、今まで撮影した、様々な動画の展示を行いました。

 

 

アートヒューマンの活動や想いをまとめた紹介ムービーはもちろん、それこそ映像を撮り始めた初期にiphoneで撮っていた映像なども。当時の僕の作る映像のテーマは「日常をかっこよく」だったんで、被写体も特別なものは何もないんです。当日に見てくださった方の、動画を撮るハードルを少しでも下げることができたなら、嬉しいんですけどね。

 

実は、今回は一般のお客さんだけでなく、出店する側のアートヒューマンたちにも見てほしいと思って、展示内容を考えました。

 

――どういうことですか?

 

 

みんな日々、もっと自分のアーティスト活動を広めたいと思いながら活動してると思うんですよ。それを文章でブログやってますとか言っても、わざわざアクセスするまでは一文も読んでもらえないけど、映像なら、タイムラインで一瞬流れるだけでも、興味を持ってもらいやすいじゃないですか。この人なんだろうみたいな。それでクオリティが高ければ、言い方は悪いですけど、その人が、より良く見えるみたいな。自分が制作を任してもらえる場合には、そんな風に、自分の持っている技術でその人が持つ魅力を、より良く魅せてあげたいと思いながら、撮影も編集もしています。

 

結局、熊本って、例えば車屋さんのCMにしても、車が映った後にいくらですって、わかりやすいとは思いますけど、魅力を感じなくて。ちょっといじれば格好良いのにな……!っていうCMもあるんですけど、お金の都合もあるだろうし。もし映像制作会社も噛んでて価格が高いみたいなことがネックになってるなら、僕にダイレクトに受注してもらえれば、1分動画5万円で作ります。

 

――それこそ、無駄にお金をかけなくっても、大手の広告代理店にも負けないインパクトのある映像を作ってご覧に入れますよって感じですね?

 

そうですね。1000円も稼ぐことは大変って話とは真逆な話になってしまうかもしれませんが、1年間使ってもらえれば、そこで使う5万円なんて、本当にすごく少額に感じると思います。一回こっきりではなく、トータル的に考えて安く上がるものを、提供していきたいなと思ってるので、最低限の先行投資さえいただければ、技術で、もっとあなたの魅力を引き出せますよってことを伝えて、かっこいい映像が熊本でどんどん流れるようにしていきたい。

 

――かっこいい映像を通じて、熊本の頑張っている人たちの魅力・すごさを、手軽に、もっとよりわかりやすく、伝わるように、発信していきたいってことですね。 

 

そう。アートヒューマンの動画撮影を通して「この人たちめちゃくちゃすごい、だから、もっと知ってもらいたい!」と思ったんですよ。

 

最初松下さんに誘われてアートヒューマンってこんな感じって説明を受けた時は、へーみたいな、いつも通り客観的な、ちょっと冷めた自分で、僕は映像だけ作っとけばいいのかなみたいな感じだったんですけど。実際に会いに行って、作品を見たり、思いを知って、撮影後に映像を編集していると、その映像が完成するまで、もう毎日その人のことを見て、考えるわけで、気づいたらめちゃくちゃ親近感が湧いてきて、もうなんか家族みたいな(笑)。

 

例えば、Art Human Festa2018に出店していた花屋・はな輔の須子栄輔さん。

 

 

この人は、花業界を変えたいって言ってるんです。しかも熊本っていう田舎から変えていきたいって。彼は花業界、僕は映像と、業界は違えど、共通な思いを感じるし、歳も一個とか二個とかそんな変わんないのに、彼はリスクを冒して独立して、自分のお店を経営してるわけです。その姿がめちゃくちゃ格好良くて、裏方として、その活動をサポートしたいと自然に思うようになりました。

 

 

安全な道を行きながら副業で映像づくりに取り組んでいる自分とは違って、退路を断って自分の信じる一つのモノづくりに打ち込む姿勢に、自分とのギャップを感じると共に、「僕もこのままでいいのかな」と強い刺激も受けています。

 

そういう、魅力ある人たちのすごさを最大限に引き出して、全面的にアピールすることで、僕が感じたような刺激や、自分がやりたいことに向き合ったり考えたりするきっかけを、同じ悩みを抱える若者たちにも与えられるんじゃないかと思っています。それを叶えられるような、かっこいい映像を、作っていきたいです。

 

 

おわりに

 

 

2018年10月、ART HUMAN プロジェクトの運営チームから、「今後定期的にアートヒューマンの活動を発信する記事を作っていきたい」と連絡を受け、東京でフリーライターをしている私は、はじめて熊本の地を訪れた。そこで出会った同世代の、モノづくりに向き合う若者たち。私は彼らとの取材を繰り返す中で、「これは長い付き合いになるな」と感じていた。

 

インタビューというのは、何かを為しえた人にすることが多い。記事を読んだ読者が、その人の成功に結び付いた体験を聞くことで、失敗するリスクを減らし、最短ルートで目的を達成していく策を考える参考データになるからだろう。死後有名になったゴッホの絵を飾る美術館は今たくさんあるが、当時ヘンテコで変わり者で売れない画家だった彼を取材したメディアがあっただろうか。もし、ゴッホが生きていたときに、彼に取材を行い、当時の葛藤、挑戦などの成功までの過程を継続的に記録として残していたら、それを読んで自分の糧にできた人が、きっと何人もいたに違いない。

 

この連載で紹介する若者たちは、まだ何も為しえてはいない。しかし、彼らの中から、5年、10年後に熊本というローカルの地から日本に、世界に、そのモノづくりやカルチャーを発信する存在が現れたなら……この記事=記録は、今後のモノづくりに向き合い葛藤する若者たちを後押しする、得がたい記録となるだろう。

 

従って、この連載では、脚色も、それらしくまとまりのある記事に見せる編集もしない。ただ聞き取った「悩み」「迷い」をそのまま書き残していく。彼らが抱える何がどう着火剤となり、彼らのモノづくりを飛躍させていくのか。

 

どうか、この記録を、リアルタイムで読むことで、彼らに興味を持ち、彼らの活動を、ローカルからの発信を見守り応援してほしい。その応援が広がっていけば、彼らの声はより多くの人に届きやすくなり、若者の夢が実現しやすくなるだろう。ローカルから世界へ。彼らの挑戦は始まったばかりで、この先、長く、長く、続いていく。5年後、10年後、さらにその先のインタビューを楽しみに、わたしは彼らの“今”を書き続けていこうと思う。

 

 

 

次のアートヒューマンはバリスタとして活動するSOERU COFFEEの木下拓朗さんです。更新を楽しみにお待ちください。

 

それではまたー!



(浅田よわ美)