ARTICLEアーティストのリアルを届ける特集記事
皆様いかがお過ごしでしょうか。段々と気温が落ちてきて、⼀枚⼆枚と⾝につけるものが増え、コーディネートを楽しめる時期に⼊りましたね。今回は、前の記事「お久しぶり。」ニースの⼈々の⽣活をたずねる(後編)にも登場したネルのアクセサリーとアレンジ術を画像メインでお伝えします。皆さんの何かのインスピレーションに繋がりますように。
これは去年撮ったネックレスの写真。たすき状にネックレスチェーンをつなぎ、⾙殻の破⽚や鉛の重りをつけている。
現在は去年のたすきネックレスにつけていた鉛はこの新しいモデルに付け替えられている。実はこの鉛は17歳の時に付き合っていた彼からのプレゼント。本体の太い部分はシチリア島にある友達の家で不要になった⽔道ホースをもらって来たもの。それにストッキングを巻いている。流⽊に⾒えて⾯⽩い。陶器で作った⼩さな器もプラス。
これは雫型に切った鉄の板がちゃらんちゃらん鳴るネックレス。イヤリングの輪などいろいろな形のチェーンを組み合わせている。それだけでもカッコイイ。
これは友達に貰った空き⽸のタブで作ったネックレスに、どこかで拾った機械の部品(?)や縫い針をプラス。
これはギザギザの鉄の板の危険な感じと下に下がっているウィンドチャイムの優しい⾳の組み合わせが絶妙。
これはエバ・クラルジックというスロベニア出⾝の親友に貰った⼩瓶のネックレスに、他の友達からもらったキラキラする⽯とまた更に別の友達からもらったドライフラワーを⼩瓶に詰めている。どんなに⼩さなパーツも⼤切に持っている。
これはネルが⾃分で鉄を溶かして作った指輪3つ。⾦の指輪の内側には「瞼を裂く」と⽂字が⼊れてある。これを作った時はちょっと凶暴的な時期だったのだそう。
このように⼈からもらったものや、⾏く先々で落ちていたものを組み合わせて⾃分好みの形を作るのが得意なネル。彼⼥の卒業展の部屋もそんな⼯夫があふれています。
布の袋を簡単に作り、その季節には着ない服を詰めておいてクッションにする。
彼⼥の絵にも彼⼥が作るアクセサリーに似た形が出てくる。体のパーツ(神経や⾻など)が⼤きなインスピレーションになっているそう。
⽊の根、布、どこかで⾒つけた鉄⾦具、ろうそく、全て⾝の回りにあったもので構成されたランプ。
川で拾った陶器のビーズや⾞の窓ガラスの破⽚など。なんでも材料になる。
ベルギー出⾝のネル。⾼校⽣の時からイタリアに留学、その次はロンドン、そしてニースと各地を転々として来ました。友達に貰ったものや道端で拾ったもの、⾊々なパーツがアクセサリーになったり、家財道具や作品になったりと⾃由⾃在に変形させながら、何年も持ち運んでいるのは⾯⽩いなと思います。ミノムシのからのように “家”とも“装飾”ともつかないけれど、それらは彼⼥の空間、帰る場所、記憶、ルーツ形成に⽋かせないものなのかもしれません。
Writer
マキコ 1988 年熊本県生まれ。白川中学校を卒業後カナダへ。公立高校卒業、芸術大学卒業、キッズアートスクールで働き、バンクーバーの雨にうんざりしたのとカナダ滞在 10 年を区切りに帰熊。文房具屋、発達しょうがい児支援所、味噌・醤油・酢屋、熊大の非常勤講師、クラフトビールバー、個人的に英会話を教えるなどして、色々な職業を経験。今度はヨーロッパへの好奇心が押さえられなくなり、フランスで最も太陽が照る街ニースへ。ビラ・アーソン芸術大学院に就学中。