ARTICLEアーティストのリアルを届ける特集記事
明けましておめでとうございます。無事に2020年を迎えることができました。年末年始は普段よりも日々の経過を大切に感じることができ、感謝している次第です、Mastarrjaです。今年もぜひよろしくお願いいたします。
今回は、都内を中心に活動する3人組トラックメイカーユニット、Paʼs Lam System(パズラムシステム)について紹介させていただきます。
パワフルで色彩感に溢れた世界観を作る彼らは「じゅうでん」「ゆんぼ」「しゅんいち」からなる。全員が曲を作れること、また、全員が同じDAWを所有していることなどが特徴として挙げられる。メインコンポーザーのじゅうでん氏の自宅にそれぞれが原曲を持ち寄り、楽曲を作り上げるというスタイルをとっている。そしてそのどれもがクラブシーンでは※1アンセムと化している。
※1アンセム:誰もが認知していて、場が盛り上がる楽曲のこと
Bit by Bit
2014年にリリースされたこちらの楽曲。聴いていてとても気持ちがよく、気持ちをスムーズに上方へと運んでくれる。Future Bassがこの世に誕生したのが2013年~14年だとすると、いかに彼らが時代を先取りしていたかが分かる。
Iʼm Coming(2017 Version)
同じく2014年にリリースされたオリジナル版を再アレンジ、※2リマスタリングして生まれ変わったこちらの曲。イントロの”I just want to dance”で即アガり。ちなみにボーカルはじゅうでん氏の声を加工したものらしい。
また、ポーター・ロビンソンなど国内外有名DJからのサポートも受けており、独自性とクオリティの高さが分かる。
MVでは鮮やかな近未来の世界でレースを行うというもの。”I’m Coming”の意味を調べてみるとMVの意味が分かるかも。こちらもアンセム。
※2リマスタリング:過去の楽曲の音を再度整えること
tofubeats – CANDYYYLAND feat. LIZ (Pa’s Lam System Remix)
彼らの名を大きく知らしめたであろうこちらのtofubeatsリミックス。まず一言で言うと、”ハンパじゃない”。もう、「原曲をボコボコにしてやろう」といったような気持ちがビシビシ伝わってくる。とても大胆でエネルギッシュかつ、日本人らしい細やかな音の刻み方をしていて大変オリジナリティがある。音の密度が高い部分とそうでない部分が織り交ざり、絶妙なグルーヴが生み出された。彼らの作風がここで固まったように思える。間違い無くアンセムである。
マルチネ・ボーカロイド・スクール
ネットレーベル「Maltine Records」のアーティストがボーカロイドを使用して、楽曲が完成するまでのプロセスを観察するといった企画。謎の多い彼らの素が垣間見える貴重な機会。割と落ち着いているんだなあ・・・。
特筆すべきはそのアーティスト性にあると考えられる。
”システム”という機械的でデジタルさを感じさせるワードを使用しながらも、民族系の怪しさを含むビジュアルを持っている。それでいて楽曲は極めてポップであるというそのギャップは、グラフィックデザイナー兼アートディレクターのGraphersRock氏の功績であろう。
彼らのアイコンであるお面やアルバムジャケット、MVなどのアートワーク全般を彼が担当している。他にもtofubeatsやでんぱ組.incへのアートワークの提供、PUMAやHarley-Davidsonなど有名企業とのコラボレーションも精力的にに行なっている。その作品群は非常に洗練されており、パズラムにも無くてはならない存在となっている。
GraphersRock
http://graphersrock.com
https://www.youtube.com/watch?v=AoAJ21EsuQM
ライブでは当然3人での出演なので迫力があり、各々が自由に楽しんでいる様子が伺えてこちらも楽しくなってくる。しかし、メンバーのしゅんいち氏が家庭の事情により暫くの間ライブ出演を控えるそう。早い復帰を願う。ちなみにお面はメンバーが忘れることもあり、会場近くで見繕うことも。そのテキトーさ加減が実にいい。
パズラムシステムに1人梅宮辰夫混じってるんだけど何??? pic.twitter.com/YOhkZitH8t
— きょん (@kyonCry) November 22, 2019
また近年では、プレイステーション4のプロモーション用の音楽、キズナアイへのリミックス提供やCY8ERへの楽曲提供などの活躍が見られるのだが、彼ら名義の楽曲が3年近くリリースされていない。筆者は彼らをアンセム製造機だと思っている節があり、新曲のリリースが非常に楽しみである。
以上Mastarrjaでした~読んでいただいた皆様、ありがとうございました。それではまた次回。
Mastarrja
作詞・作編曲/Trackmaker/DJ/Music Producer based in FUK
2016年より活動を開始。正の感情に基づき、高次元的で高揚感のある、或いは幻想的なサウンドを創り出し、そのどれもが未来の景色をイメージさせる圧倒的な美しさを持つ。地球をより良い方向へ導く為に活動している。
Twitter:https://twitter.com/Mastarrja
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