ARTICLEアーティストのリアルを届ける特集記事
突然ですが、私、歴史を感じるものが好きなんです。ヴィンテージのアクセサリーや、古本、廃墟など。
本は、前の人の書き込みがあるとなお面白いですよね。何人もの手を渡って自分のもとにやってきたと思うと、ワクワクしませんか?
また、廃墟が好きって言っても、写真で見るだけだったのですが、昨年ようやく軍艦島を探検してきました。
ここに人が住んでいたのかと思うほどの荒廃ぶりに、自然の壮大さや人間の儚さを感じて胸が高鳴りました。難しく書きましたが、簡単に言うとジブリのラピュタのような世界が好きなんです(笑)
帰国後は和歌山県の友ヶ島にいきたいと切望しています。
そんな、古いものに興味を惹かれる私が何度も足を運ぶ場所があります。
熊本県、河原町繊維問屋街です。
今回は、その魅力を語ろうと思います。
河原町繊維問屋街とは?
河原町繊維問屋街は、熊本市中心市街地から車で5分ほどの場所。
昭和33年から朝鮮、沖縄、中国から来た人たちが店を始め、国際市場、いわゆる闇市として発生した市場です。川が近くにあることや、市電が通っていたことなどから、流通が発展したようです。
学生服など、主に繊維関係の問屋がメインで商売をしていたことから、繊維問屋街と呼ばれるに至っています。
映画セットさながらの昭和レトロ空間がここに
そんな、昭和の卸売市場として栄えたこの場所が、火災などの困難を乗り越え、未だに残っているんです。
それが、こちら。
コンクリートの長屋ですね。
ただの古い建物だと言う人も、冒険心が抑えられない人もいるとは思いますが、私は後者です。
中に入ってみると、まるでタイムスリップしたかのよう。
「always~三丁目の夕日」を連想させるような、まさに昭和レトロ空間です。両手を広げると壁に手が届くほどの狭い空間に、小さな店舗がひしめき合っています。
この場所、以前は一階を店、二階を住居として利用していたそうです。
昭和、繊維問屋街として使われたままの姿がそこにありました。
看板の字体もまた、当時の雰囲気を感じさせてくれます。
置かれたものがアートになる場所
昭和のままの姿があると述べましたが、少なからず手が加えられてきたはず。
ところが、住民の方が作った喫煙所、ゴミ出しの段ボール、植木鉢…
全てのものが昭和の匂いを纏っているようで、混沌とした雰囲気を感じます。
まさに、置かれたものが時代を遡り、昭和レトロのアートとなっているように感じました。
また、この場所を訪れた方は、植物やお花がたくさん植えられていることに気づくと思います。
2016年の火事によって木造建築だった裏側が燃えてしまい、寂しくなったので住民の方、お店の方が手入れしているそうです。お花や植物を見にくる方もいらっしゃるようで、素敵ですよね。
この、植物と言う生の存在が、映画や写真のような過去の場所ではなく、現代に生きる場所にいるんだという実感を持たせてくれるような気がします。
個性豊かなお店が華を添える
この場所、現在は、様々な方がそれぞれにあった使い方をしています。問屋時代のお店にそのまま住まわれている方、場所を借りて雑貨屋を開いている方、アトリエや事務所として使っている方など、、、
全体的に、専門店が多いようですが、どのお店も個性豊かで一件一件のぞきたくなります。
また、河原町繊維問屋街内には、共用トイレ、カフェやバーもあるので、ちょっと長居しすぎても大丈夫。
この場所の”歴史”に入って店をする
なぜこの場所で商売をしているのか、お店の方に伺ってみると、皆さん口を揃えておっしゃるのが、「ここの建物、雰囲気が好きだから。」
古い建物と雰囲気が好きな人たちが集まって、お店をしているんですね。
また、「歴史の中に入って店や仕事ができるのは面白い」と言います。
昭和33年に闇市ができてから、昭和の繊維問屋街として終わったのではなく、今も長い歴史の途中にあり、現在商売をしている人たちが、この場所をこれからの世に繋げているのだと気付きました。
近年はフォトスポットしても人気
インスタグラムが世に浸透した影響で、近年はフォトスポットとしても人気のようです。
特に、最近ブームのフィルムカメラにぴったりの場所ではないでしょうか。
お住まいの方もいらっしゃるので、撮影をする際は、河原町繊維問屋街のfacebookを通して連絡してもらえるとありがたい、とのことでした。
いかがだったでしょうか?大好きな河原町繊維問屋街の魅力を、120パーセント伝えられたら嬉しいです。
住所:熊本県熊本市中央区河原町2
アクセス:河原町電停から徒歩5分
SNS: facebook
駐車場:付近にコインパーキング有
Writer
さくら
熊本生まれ熊本育ち。焼き鳥と〆さばが好きな、ごく普通の大学生。大学生活を通して、旅行情報サイトの運営、リゾバ、ヒッチハイク、海外留学、語学ボランティアなど様々なことを経験。その中で、国際交流の楽しさと熊本の美しさに気づいたが、英語が話せない悔しさが忘れられず、単身オーストラリアへ留学中。世界196カ国に友達を作りたいと思っている。