ARTICLEアーティストのリアルを届ける特集記事
インディーズ T シャツブランドとして国内外から注目を集める “DARGO” が、東京・浅草橋にあるギャラリー “HI-CONDITION” から招待を受け、『HANGSODE EXHIBITION』に出展しました。今回は出展に際して意気込みを伺いました。
【ハンソデ店】
期日:2017.6.24(sat) ~ 7.9(sun)
時間:12:00 ~ 20:00
*最終日まで休まず営業しております。
代表Narimatsuは在廊しておりませんが、ギャラリーにはDARGOのT-shirtが並んでいます。
開催場所
Gallery&Studio HI-CONDITION
〒111-0053東京都台東区浅草橋1-31-603
main@hi-condition.com
http://www.hi-condition.com
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デザインが施されている版を取る様子
AHP:
今回初の東京出店。DARGO としては熊本の1ブランドとして参加することになりますが、どのような心境なのでしょうか。
成松:
東京・浅草橋に「HI-CONDITION」というギャラリーがありまして、そちらのギャラリーオーナーは同じく「HI-CONDITION」というブランドを運営されています。そちらを中心に全国から7ブランドを集めて、Tシャツだけの展示即売会をしようという試みです。
この展示会は招待制で、主に HI-CONDITION さんが主体となって声をかけられています。雑誌に載っているブランドや流行の先駆けの集まりではなく、まだフォロワーが少ないような発展途上の小さいブランドが集まって展示するといった開催内容です。
ずれないように版とTシャツの位置を確認
AHP:
合わせて、参加するにあたっての意気込みも教えてください。
成松:
今から 13~14 年前に熊本・並木坂では古着ブームが起きていたこともあり、僕も中学生の頃から少ない小遣いを握りしめて並木坂に行っていましたし、そこで古着を中心にたくさんの洋服を買っていました。そういった経験からDARGOで製作しているプロダクトには「古着のエッセンス」を少なからず反映させています。地方で洋服を製作する上で、僕はいわば街の文化やDNAのようなものを表現しているつもりなので、熊本の街の雰囲気を全力で表現するという気概でイベントに臨んでいます。
ブランド当初は過剰に在庫を積むことは嫌っていましたが、今回は気合を入れて作れるだけ作ろうと思ったので、初めて短期間イベントのためにしっかり在庫を抱えました。枚数でいえば80枚くらいです。
インクの調合中。その日の温度や湿度など様々な条件で色合いも微妙に変化するそうです。
AHP:
今回、ギャラリーに在廊されず、服を送るだけの展示ということですが。
成松:
そうなんです。距離が遠いですし、熊本での製作もあるので。初めての場所で事前情報も少ないため、正直”当たって砕けろ” というか。ですが、現地で直接接客が出来ない中でもインスタグラムを活用したPRには力を入れています。ハッシュタグはしっかり利用して「#ハンソデ店」や「#浅草橋」とキーワードはしっかり組み込み、興味がある人が見た時にしっかりチェックをしてもらえるような情報発信を心掛けています。
また、会場に展示する商品はTシャツの中央に目立つようにブランドネームが記載されたいわゆる “ロゴTee” より、もっとメッセージ性の高い “オリジナルデザイン” をプリントしたTシャツを中心にセレクトしました。そうすることで初めてご覧になる方がご来場された際でも、眺める瞬間からしっかり楽しんでもらえるような工夫を施しました。
ポイントを調節し、印字の位置を合わせる
AHP:
ご招待いただいたとのことでしたが、突然連絡があったのでしょうか?それとも面識があったのでしょうか?
成松:
ギャラリー主の方とは直接面識はなかったのですが、知り合いのブランドが間にいたことでお互いインスタグラムではフォローをし合っていて、今回イベントを主催される際に『熊本から展示してみませんか?』というふうに招待していただきました。
AHP:
今回の展示を通して得たい成果はありますか?
成松:
会場には4種類のデザインのTシャツを2色ずつ、計8色発送しています。その中でロゴマークのTシャツは1デザインのみ。残り3デザインは自由にデザインしたものを会場に納品しています。ブランド設立した初期段階って製作の歴史が浅いので、雑誌やSNS上で極端にバズらない限り背景があまり見えてこないじゃないですか。それで言えば、今回ウチのロゴTeeがどれだけ支持されるのかは気になりますね。
AHP:
なぜ気になるのでしょうか?
成松:
ロゴ製品が売れる瞬間というのは、お客様側がものづくりの背景やカルチャーをブランド側から感じ取り、これまでの功績や今後の期待を込め、さらに支援のような気持ちを持ち合わせて、信頼や期待の証として購入されるからだと思います。
どこの馬の骨か分からないような、歴史が浅いブランドのロゴマークTシャツは購入されづらいことの方が一般的です。そうした中でブランドとしての世界観をロゴマークに乗せて発信し、そのデザインが「どこまで受け入れられ、見てくださった方に伝わるか」という観点から考えると「自分のブランドネームがプリントされたTシャツ」と「通常デザインのTシャツ」の売れ行きの違いはとても気になります。
なんだか商売っ気の強い、ある意味で味気無いアンサーになってしまいましたが、今回は会場に製作代表である僕が不在ということもあって、ダイレクトに正確な情報伝達ができませんから。都内での展示販売に関して、しいて熊本から気に掛けるといえばこういったことですかね。
魂を込めて一気に刷り切る。
AHP:
今後、熊本県内での展示販売会の予定はありますか?
成松:
そうですね。イベントといえば先輩がやってる古着屋(
Rei Mart)が並木坂にありまして、店主である先輩がアメリカ買付に行かれている間に店番も兼ねてお店をお借りし、ポップアップストアという形式で期間限定出展を継続して開催してきました。回数でいうと、ここ1年半で4回ほど開催しています。
今年の6月末に開催した第4回目のポップアップでは熊本市内の他に、八代市や大分県日田市など遠方から御来場のお客様もいらっしゃり、嬉しかったと同時にとても自信が持てました。ブランドとして徐々にステップアップしている実感があったので、今後は熊本市内の会場をお借りし、単独での出展を積極的にチャレンジしてみたいです。
AHP:
最後に、目標や具体的にチャレンジしたいことがあれば教えて下さい。
成松:
出来るだけ早い段階で単独店舗を持つことと、熊本から日本一のプリントTシャツを作ることです。良いプリントTシャツを作る上でお客様にオーバースペックに感じてもらわないよう、出来る限りお客様と同じ目線に立って、一緒に成長していきたいですね。
難しい試みかもしれませんが、そもそも「良いTシャツってなんだろう」ってところから始まり、併行して全国的なラインナップの中でも群を抜いたプリントTシャツも製作する。目指すのはエントリーモデルとハイエンドの両立です。車で言えばデミオもつくるし、ロードスターもつくるといったところでしょうか。
その為にお客様と直接お話できる機会をより多くつくっていきたいですし、DARGOの製作背景を通じて、皆さんのステータスアップやライフスタイルの向上に繋がるブランドとして成長していけたらと思います。
今回の取材のためにTシャツを作っていただきました。ありがとうございました!
DARGO 代表 成松大輝
1990 年、熊本市生まれ。熊本学園大学卒業後、新卒で大手自転車チェーン店勤務ののち、2013年にアパレル業界へ転職。熊本市郊外のセレクトショップにて勤務後、2015年に独立。熊本にてインディーズT-shirtブランド【DARGO】をスタートさせる。オンラインでのT-shirt販売を中心としながら、今年は屋外イベントにも精力的に出展している。
店舗情報
住所:〒861-8019
熊本市東区下南部 3-10-26 (ジョンブルアンティーク内)
TEL:080-8381-7430(営業用)
営業時間: 10:00~18:00 (火曜・不定休)
HP:
https://dargojapan.shopinfo.jp/
ONLINE STORE:
https://dargo.theshop.jp/