代表・藤井が語る“ART HUMAN FESTA2018”

 

 

ART HUMAN FESTAとは?】

表現する人そのもの=アートと捉え、そのような表現者を「アートヒューマン」と呼ぶ―アートヒューマンプロジェクト―の運営チームが企画するマーケットイベント。

 

 

Tシャツブランド「DARGO」の成松大輝さん、フラワーアーティストの須子栄輔さん、和菓子職人の片岡翔之助さんなど、熊本で活動する20~30代の若手クリエイターが合同展示や体験交流会を行う。これまで3回開催され、来たる2018年11月11日に第4回ART HUMAN FESTA2018が開催される。テーマは「想いを話せる場所」。 

 

今回のテーマに込められた真意とは? 開催前に、アートヒューマンプロジェクト代表の藤井祐貴に話を聞いた。

 

 

 

じっくり見て、じっくり話す―“想いを話せる場所”を作りたい

 

 

――ART  HUMAN FESTA第四回目の開催テーマは「想いを話せる場所」ということですが、何故このテーマにされたのでしょうか?

 

今は昔と違って便利な世の中だからこそ、「想いを話せる場所」が少なくなっているように感じるからです。

 

例えば現在、国内の約7割の人が、インターネットを使って買い物をしているというデータがあります。もちろん僕自身も便利という理由からインターネットで買い物をすることはあるし、インターネットを通じた買い物がすべて悪いなんて思ってません。ただ、食べ物にしても、洋服にしても、お客さんの求める価値が値段だったり、手軽さだったりに偏っていってることに疑問というか危機感を感じていて。

 

僕は、買い物って、もっと見て知ることで楽しめる部分がたくさんあると思っています。

 

アートヒューマンフェスタのいいところは「ゆっくりとした時間の中でアーティストの想いに触れられる」こと。そのような体験を通して購入する場合、購入後に大切に扱うイメージが湧くなどして、そのモノ自体の価値が、お客さんにとって高まると思うんです。

 

それは今求められる価値とは逆行する時間なのかもしれないけど、実際に前回開催したART HUMAN FESTA vol.3で、出店者の方とお客様が、作品に対する想いや、昔の思い出話などを話しながら、楽しそうに買い物する場面を目にした時、「ああいいなあ」と思いました。

 

その光景から感じた多幸感や自分の想いを大切に、前回以上に「じっくり見て、じっくり話す」時間を提供できる場づくりを今回は目指します。

 

 

 

すぐには来れない場所だから、ゆっくりと出店者と触れ合う場になる

 

 

――より「じっくり見て、じっくり話す」場を作るために、今回の開催に向けて、具体的に工夫された点があれば教えてください。

 

2点あります。1つ目はイベントの開催場所が“山ぼうしの樹”であること。2つ目は、出店数をこれまでの半数以下にしたことです。

 

まずひとつ目の“山ぼうしの樹”は、熊本の中心部から約40分ほど車を走らせた“不便”な場所にあります。田園地帯に囲まれた400坪の敷地内には、元々米蔵だった場所をリノベーションしたBARや、牛舎だった場所をリノベーションしたカフェなど、ゆっくりとした時間を楽しめる7棟の建物があるのですが、そのまわりには、四季の移り変わりを感じられる雑木の庭や、そこに棲む多くの生き物たちがいます。

 

 

そのような、自然豊かで静かな場所“山ぼうしの樹”を、オーナーの株式会社ミズタホーム代表・水田和弘さんは「人が集い、想いを伝え、時をつむぐ場所だ」と話されます。古い建物がアートの力で再生され、新しい息吹を吹き込まれている―その場所の魅力やコンセプトに、「想いを話せる場をつくること」を目的とする僕らは強く共感しますし、何より、なんとなくついでに立ち寄る便利な場所ではなく、まさに、そこを目的にしてわざわざ訪ねないと行けない場所にあるということが、第4回の開催地としても選んだ最大の理由です。

 

人通りの多い熊本市内で開催すると、たまたま近くを通りがかった人たちが次々に「なにかやってるなあ」と特に関心もないまま、足早にフラッと立ち寄ることができてしまいます。そうなると、出店者さんたちは、そういうちょっとだけ立ち寄ってすぐに帰ってしまう大勢の人たちに気を遣うことになってしまいますよね。

 

でも、山ぼうしの樹でやると、遠い分、時間とそれなりの関心がある人しか来ることができません。そういう視点から見ても、すごくいい場所だと思うし、来ていただけた方々には、ゆっくりした時間とか、話しながら買い物をする時間を楽しんでもらうことで、そういった時間の使い方や想いの籠もったモノとの出会いの大事さを感じていただけると思います。

 

 

 

 

お客さんだけじゃなく、僕自身も感動したい

 

2つ目の工夫―出店数を半数以上に絞らせていただいたことについて―過去3回は、とにかく色んなアーティスト、作家さんをお呼びすることで、来場者の方に楽しんでもらおうという主旨で運営をしていました。けれども、今回は「じっくり見て、じっくり話す」体験をしてもらうことを目的にしているので、1日かければ作り手全員の想いにじっくり触れられるくらいの出店数にしたんです。

 

ですから、今回の出展者さんたちについては、何度か接する中で、特に強い想いを持って「この道で生きていく」というような覚悟を感じる方々にオファーをして、出店いただいています。

 

――運営チームは、アートヒューマンたちが持つ「想い」を重視していると。

 

そうですね、想いを重視しています。なので、今回出店いただくみなさんは決して全員がもう120%自分の表現したいものを言語化できている人たちばかりではありません。

 

 

ただ一つ共通項をあげるなら、時に悩みながら考えながら、葛藤しつつ、それでも自分の信じるモノづくりに向き合っている人たちです。だから今回のフェスタでは、来場者のみなさんに楽しんでいただきたいのはもちろん、アートヒューマンたちにとっても気づきがあり、さらに前に向かって進むことができるような化学反応が引き起こされる場になればと思っています。

 

だから来場したみなさんは「休みを取って市内から来た」とか、自分のことも、出店者にどんどん話してもらいたいですね。そのコミュニケーションを通してお互い得るものがきっとあると思うので。

 

また、僕は、いいモノづくりには必然的に作り手の想いがこもると思うんです。ですから、「アートヒューマンプロジェクト」では、作品を作る人そのものがアートだと定義していて、そんな人たちを「アートヒューマン」と呼んでいます。そして、そんなアートヒューマンが抱く想い自体も、作品同様「アート」だと、僕としては思うので、対面のマーケットだからこそ感じられるその想いに、しっかり触れてほしいんです。

 

 

 

――そもそもアートヒューマンプロジェクトを立ち上げた藤井さんは、元々、アートを発信したい! という強い思いをお持ちだったんですか?

 

いや、全然そんなことはないです。そもそも最初は、5年くらい前、webサイト作りを覚えたてのころに、自分でwebサイトを作ったら早く技術も身につくだろうと思ったのがきっかけなんですよね。そのときに、自分の周りにモノづくりをしている人が多くいることに気づいて、そういう人たちを紹介できるメディアサイトを作ったら、少しでも役に立てるかなと思ったんです。

 

そこから、作り手に話を聞きに行ったりして、webサイトに掲載しだしたのが、アートヒューマンプロジェクトの始まりです。最初は一人でやってたんですけど、当時は、本当に先のこととか何も決まっていなくて……色んな人を紹介してもらう繋がりの中で今の運営メンバーと出会って、現在の形になったって感じですね。

 

――色んな人やアートヒューマンたちとの出会いを通して、やりたいことが見えてきたと。

 

そうですね。僕一応、代表をやってますが、正直、最初にフワッとした気持ちで始めているから、ずっとフワってしちゃってて、みんなのアドバイスに対して「いいね!」って思ったらそれを取り入れて、みたいな感じで行き当たりばったりで進めていたんですよね。それが、最近になってようやく自分でこうしたい、ああしたいっていう軸みたいなのができてきたっていう感じなんです。

 

――なるほど。実際、アートヒューマンプロジェクトの活動をすることで、熱い気持ちを持った方に会う事の多い、心が動きやすい環境にいらっしゃると思うのですが、どうですか?

 

もともと僕は、あまり感情が動かないタイプの人間だったんですが、アートヒューマンプロジェクトの活動をはじめて、様々なアートヒューマンたちに出会う中で、感動したり、心が動いたりすることが多くなりました。それがすごく楽しかったし、面白かったんです。だからそういう想いを、自分以外の人たちにも経験してほしいのかな。

 

 

思いが強い人っていうのは作品だけじゃなくて、自分の生活全体、人生そのものがその人の色になっていて、仕草だったりとか、立ち居振舞、身なり、その人の生活すべてが作品に向き合っているんです。生活のためにモノづくりをしているんじゃなくて、モノづくりのために生活しているみたいな。取材とかで数日一緒にいる中で、そういう姿勢を感じると、鳥肌が立つぐらい心が揺れて刺激になりますね。

 

――実は私も、良い物があった場合、その物さえ見れば確かに感じる魅力がいっぱいあると思う一方で、完成され出来上がった物だけではなく、それができるまでの過程を見たり聞いたりすることで、さらに心が動かされることってあるんじゃないかとずっと思っていて……今日藤井さんから、作り手自身や、抱える想い自体もアート作品だというお話を聞いて、やっぱりそうなんだなと思いました。受け手にとってそこも作品になるなら、そこまで見たいのは当然だなと。

 

例えば美術館に絵を見に行ったとしても、芸術とかアートとかの世界とかは、正直見方がわからないって思う人が多いと思うんです。それに比べて、完成するまでの過程とか、そこに込められた想いとかは共感しやすいですし、そっちのほうに興味を感じる人は多いんじゃないですかね。実際、ファンが多いブランドとかって、そういうモノづくりへの作り手の想いを、上手に発信しているイメージがあります。

 

――そういう時代なのかもしれませんね。Instagramでも、綺麗な世界観の統一された写真の並んだプロフィールページを見たり評価したりするけれど、それ以上に、実は製作の過程や、その作り手自身のことが見えるストーリーに、より多くの足跡がつくっていう……アートヒューマンが作り出すモノを見る場合も、そのモノを通して垣間見える作り手のこだわりだとか、そのモノに付随するストーリーのほうが気になるっていう人が増えてきてるのかもしれないですね。

 

面白いですね。人と人のつながりがどんどん希薄になってきている世の中なのに、結局は、みんな、人への関心が薄れることはないんですね。

 

むしろ、強まっているのかもしれないなあ。

 

 

 

✳︎

 

イベント概要

 

 

ART HUMAN FESTA 2018
日程:2018年11月11日(日)
時間:10:00~18:00
会場:山ぼうしの樹
住所:〒861-3242 熊本県上益城郡甲佐町糸田136
後援:City FM(9/7現在)
主催:ART HUMAN PROJECT
電話:096-240-2424(株式会社DESSIN)
メール: info@art-human.com
公式HP:https://art-human.com/
Facebook:https://www.facebook.com/ahp.kumamoto/
Twitter:https://twitter.com/ahp_kumamoto
instagram:https://www.instagram.com/art_human_project/

 

 

以上、11月11日に開催されるART HUMAN FESTA2018を手掛ける運営チーム「アートヒューマンプロジェクト」代表の藤井さんへのインタビューで、フェスタの見どころや出展者の魅力をお聞きしました。

 

今回の藤井さんから始まるアートヒューマンインタビューシリーズは、引き続き、イベントの前後に、出店者はもちろん、運営チームが出会った熊本のアートヒューマンたちに取材をして、その想いや作品について魅力を掘り下げ伝えていく予定です。

 

 

次にご紹介するのはスタイリストの中林奨太さん。

 

 

公開を楽しみにお待ちください。

 

 

 

 

(ライター 浅田よわ美)
(編集   アートヒューマン)

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