ARTICLEアーティストのリアルを届ける特集記事
2002年にスタートしたパフォーミングアーツの祭典
「STREET ART-PLEX KUMAMOTO」は、熊本市中心街の商店街、商工会、行政、市民が一緒に作るパフォーミングアーツの祭典です。2002年にスタートし、なんと今年で17年!
音楽、ダンス、演劇、大道芸など、様々なパフォーミングアーツが、パブリックスペースである商店街のストリート上で繰り広げられます。
春の「大道芸」、夏の「JAZZ OPEN」、秋の「EXTRAVAGANZA」が大きなイベントで、その間に、偉大なアーティストの命日にちなんだ「コンポーザーシリーズ」が開催されます。
アーケード内に音楽が鳴り響き、皆がうたい、おどり、商店街が自由な表現の舞台となる特別な日。道行く人は、通勤や通学、買い物ついでに、ストリートで繰り広げられるパフォーマンスを自由に観て周り、様々なアートに触れます。「日常」にアートが溢れるこのイベントが、私は昔から大好きです。
*STREET ART-PLEX KUMAMOTOのロゴ(看板)
JAZZ OPEN 2019
今回は、「JAZZ OPEN 2019」に行ってきました。
「JAZZ OPEN」は、九州最大規模の路上ジャズフェスティバルといわれていて、九州を中心に、東京やN.Yなど様々な地域からミュージシャンが一堂に会します。
今年は18組のアーティストが新市街、下通り、上通り内の7カ所で演奏を披露しました。
*渡辺隆介(Gt)・赤松貴文(Bs)のDuo
*Solamond
集まるのは「この街が好き」な人たち
スタッフは、高校生、大学生、社会人のボランティアも混ざり、みんなすごく楽しそう。「このメンバーが面白くて」と、リピーターも多いそうです。話を聞くと、学生、商店街の店舗スタッフ、行政職員と、「このイベントが好き」「このメンバーが好き」、そして「この街が好き」な人たちばかりでした。
*高校生、大学生のボランティアスタッフ。撮影をお願いしたら快くOK。ポーズまでとってくれました。
パフォーマンスそのものが最高に、イイ!
「STREET ART-PLEX KUMAMOTO」が本当に良いのは、そのパフォーマンスが最高に面白いこと。
ただ単に、ストリートで演奏し、踊り、パフォーマンスするから珍しいというわけではなく、純粋に「良い音楽」「良いパフォーマンス」に、人々が触れる機会を与えてくれるものなのです。
しかも、一遍に多くのパフォーミングアーツに触れることができる。だからこんなに長く続いて、愛されているのでしょうね。
*演奏が始まると、どんどん人が集まってきます
*「JAZZ OPEN」終盤に近づくと、出演したアーティストたちのセッションが始まります。
「アート」だからこその寛容性が、熊本に根付くこと
「アート」って、懐深く、包容力があるなと思います。「常識」というものに、がんじがらめになりかねない社会生活に、自由な表現とパッションを与えてくれる。
演奏される音色も様々。踊り方も様々。アーティストの風貌も様々。表現方法も多種多様。
「アート」は、多種多様であることを、認めてくれます。
「STREET ART-PLEX KUMAMOTO」の日、商店街では、通勤・通学・買い物などの日常の中に、待ったなしで突然、多種多様な「アート」が現れます。
例えば、「JAZZ OPEN 2019」では、アーケードを歩いていると突然、道の真ん中に生のピアノが現れた。電子ピアノでなく、アップライトピアノ。
*アーケードの真ん中に現れたピアノ
例えば、「大道芸2019」では、アーケードを歩いていると突然、ロボットに扮したピエロが現れた。
*雑踏の中に現れたピエロ
「常識」では考えられないものに突然出会っても、商店街を歩く人たちは、何食わぬ顔で、愛情を込めてそのアートを見守っています。もちろん、時には驚き、そして一緒に楽しんでいる。
熊本にART-PLEXが根付いているなと最近感じるのです。
ART-PLEXを通して、寛容性が生まれているなと。
熊本に、ART-PLEXあり。これからも楽しみです。
*熊本ではおなじみのロービングパフォーマーのREO・King・三獅郎さん。蝋人形かと思うほど微動だにしない。かと思えば突然動き出します。
10月5日には、1年の中で数あるART-PLEXのイベントの中でも、集大成的といえる「EXTRAVAGANZA 2019」が開催されます。街中に現れるパフォーミングアーツの数々、ぜひ楽しんでみてください。
https://artplex.jp/information/extravaganza2019/
文:yururi to furari
写真:yururi to furari
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