どうも~ 運営のナリマツです。ご無沙汰しております。
先日、当ウェブサイトのNEWSページにてご紹介させていただきました「thought」の案内はご覧になられましたでしょうか?
九州で開催される合同展示会です。
展示会ということで、そもそもこのイベントは小売店のバイヤーさんとクリエイターさんのためのものです。
九州在住の素晴らしいクリエイターを応援するために、本業をお持ちである実行委員会の方が九州での展示会を企画されています。(奇しくも僕らアートヒューマン運営陣と似たような境遇ですね)
※詳しくはコチラから
【目指したのは作り手と小売店が九州で出会うためのプラットフォーム 九州発信の合同展示会『thought』の役割とこれから】
イベントは3日間開催で、18日(土)が最終日。
16日(木)・17日(金)はバイヤー向けのガッツリ展示会。
最終日が一般参加者さん向けの日で、もちろん最終日に行こうとしていたのですが、実は仕事の関係で行けなくなったので17日(金)に行ってきたんです。
「参加企業の関係者」であれば入場可能ということで、アートヒューマンフェスタ2016に出展いただいた【KaILI/カイリ】代表:山内くんの名刺を持ってなんとか入場できました(笑)
ということで、いざ太宰府天満宮へ。
噂の大宰府スタバ。行列だったので入る気にもならず…。
大宰府に来たら 梅が枝餅 は食べなアカンでしょう。
梅の花 キレイ。
いよいよ会場へ。
太宰府天満宮の2つの建物を借りて展示会が開催されていましたが、こちらは文書館という建物。普段は貸出はされていないそうです。
歴史ある和の建物でイベント。
築120年の古民家を改装した山ぼうしの樹で開催したアートヒューマンフェスタのようですよね(笑)
KaILIの山内氏も頑張っていました。
自身のアトリエにて製作された渾身の一作たちがズラリ並んでいます。
次々とバイヤーさんたちがやってきます。商談が絶えません。
ちなみにバイヤーさんたちは、実際に並んだ商品サンプルやブランド側が製作したカタログを見て、お店のビジョンと照らし合わしながら必要なアイテムかどうかをディレクションしていきます。後に、お店からオーダーされるアイテムは “選ばれし者たち” ということです。
お店側もしっかりとしたビジョンの中で経営されていますから、クリエイター基いブランド(メーカー)側も自分たちが何者なのかをハッキリと明示し、分かりやすい存在であることが大事だなと思いました。
合わないなら合わない。合うものは合う。
それが展示会というものです。
私も以前は熊本市内のセレクトショップに勤務していた経験があり、社長のバイイングのために都内へ同行させてもらっていました。
こちらは山内氏が手掛ける新ブランド【UNNUN/ウンヌン】
エコバッグシリーズとでも言いましょうか。とにかく軽い。
意外(!?)なお客様も!(笑)
宮司さんたちも気になっておられました。
そもそも展示会。 そもそもこの日はバイヤー向け。
ですので、小売店を営んでいない僕にとって直接的なメリットは少なかったでしたが、山内氏をはじめ、参加されていたメーカーさんたちの姿勢は同じ作り手として勉強になりました。
それから、ここからは個人的な意見でイベントへの批評では決してありませんので悪しからず。(僕も変わり者なのでそういう人が言っているという風に捉えてもらえると助かります。)
会場には雑貨・革小物・洋服・靴・サングラス・陶磁器など、たくさんイイモノがズラッーーーと並んでいましたが、僕個人は何も思わなかったといいますか、感動しませんでした。
いや、本当に、モノが悪いとかそういう意味でなくて。
もうね、自分の身の回りの物質的な繁栄に対して、お腹いっぱいと言うか。
そもそも何を基準にイイモノと設定するのかという見解も人それぞれだと思うので難しいですが…。
バブルが弾けて不況になり、低価格競争が始まり、情報革命によってスマホが普及され、ネットサービスやSNSの発展によって1人あたりの選択肢は広がり、実質的な身の回りのモノの量がとても多くなっています。
アレもコレも、いつでもどこでも、何でも安く買えるようになりました。
僕も最近は学生時代のように嗜好品の買い物で気分が浄化することがほとんど無くなり、どちらかというと友人との飲食や野外のイベント等の”体験”や”思い出づくり”におかねを使うことが多くなりました。
買い物好きで、学生時代からアパレルでアルバイト。
モノを多く見てきた僕が、いま、生きていて幸せに思える瞬間はそーゆー時です。体験できることにおかねを優先しています。
そしてモノは飽和状態です。とてもありふれています。
いつでも どこでも手に入れることができます。
ただ、僕はそんな中で”イイ買い物をしたな”と思える瞬間がひとつだけあります。
それは洋服やファッションに目覚めた中学生の頃のような、童心に帰れる気持ちに出会った時です。
『うぉー!めっちゃカッコいいじゃん、コレ!』
社会人である今、こんな風にワクワクやドキドキな気持ちが青春時代だった中学・高校生のころ以上に新鮮に感じるし、そういう気分にさせてくれるモノは大体カッコいいんです。身につけても誰か絶対に褒めてくれます。
僕もDARGOというブランドを運営していて、モノづくりをやっている以上はそういう届け方を目指していますが、今回一人で展示会を周り、バイヤーでもありませんから恥ずかしがってメーカー側のスタッフさんと会話することはなく1人で黙々と商品だけを見つめた結果、やはり見た目のディティールやクオリティがどれだけ高いとしても、身の回りにモノが溢れているからか、何も興奮しませんでした。
もはや、この状況では見た目のディテールだけが脳内へ伝達されても感動できないのではと感じました。
今後、モノはもっと増えるでしょうから、より一層この傾向は強まると思います。
さて、先日、熊本の街でセレクトショップを営む先輩と「人柄でモノを売るクリエイターはどうなのか」という議論をしました。
つくっているモノのクオリティはハイレベルでないし、どちらかというと世の中の “イイモノ” の基準より低いが、人柄が良いために売れる。でもそれってどうなん???
という、そんな話です。
先輩曰く、発信力のある芸能人プロデュースのプチプラアイテムなどが具体例とのことです。
僕と先輩との話の発端は「アパレルが売れない」というものだったのですが、先輩は『これはひとつの見解でしかないが、芸能人などの発信力のある人がクオリティが低いモノを安く広めた。お客は質で選ばず、人で買うようになった。だからホンモノを見る目が肥えず、本当にイイモノが売れない傾向になった。これがアパレルの現状推測だ。』というものでした。
そしてその先輩は『だから打開策のひとつとして、人柄の影響を商品が受けておらず、でもクオリティが高いと一発で分かるようなプロダクトディテールのモノづくりを進めるべきだ。』という結論を述べられたんです。
具体的には「製作者の名前を公開しない」「製作者はSNS等で広報しない」「作品のブログに製作者のプライベートをほとんど関与させない」とのことです。(実際にはもっと提案しておられましたが)
個人的には「熱狂的なファンほど製作者を調べる傾向があるから生み出されたモノに製作者の人柄は絶対に付きまとうし、イイモノほど熱狂的なファンが生まれるし、だから人柄が反映されないものづくりって難しいよな~」とは思いましたが、ひとつの見解としてアリだなと思いました。
でもね、それよりね、もうね、本当にたっくさんのモノが世の中に溢れています。
クオリティどうのこうのとか、欲しいとか買いたいとかでなくて、「それ、いる!?」みたいな。
嗜好品の魅力って、自分の魅力を引き出してくれるところだと思うんです。
ひと昔前、1人当たり月1~2万円の通信料なんて存在しない90年代前半頃くらいであれば嗜好品も動きがあったと言われています。
そんな嗜好品も現代では日用品以上に、「必要」か「不必要」かで厳しく判断してしまう、そんな世の中なんです。
でも、思うんです。
だからこそ、僕らクリエイターの魂の叫びが必要なのではないのでしょうか?
やっぱり誰かのことを想って作られたモノは素晴らしい活躍をしてくれます。
大量生産には無い魅力を追求し、古着に青春を燃やした世代を再び熱くさせるアジのある手刷りのT-shirt。
人と人との一瞬のドラマに、贈る人の気持ちも一緒に添えてくれる色鮮やかな花。
寝る間を惜しんで火と向き合い、窯から出てきた自らの手で形にした器は、暮らしに便利さと温もりを与えてくれます。
辛い経験から閃いた感性を、想いとして言葉とリズムに乗せ、歌として発信することで空気を一瞬で浄化してくれる歌い手。
人柄が絡むとクオリティとしてどうこうとか、
見た目が写真映えするから売れるとか、
売れている売れていないとかじゃなくて、
一番大事なことは生み出したモノが手に取ってくれる誰かのことを一生懸命に想って作られたモノであり、更にそこにクオリティが絡んでいることではないかと思うんです。
そういう想いをもって生まれた創作物は素晴らしいし、
そういう想いがあるクリエイターこそ知ってほしいし、
そういう想いがあるクリエイターこそ売れてほしいし、
そういう想いがあるクリエイターこそ紹介したいんです!
アートヒューマンプロジェクトが紹介しているアーティストのプロダクトはほとんどが嗜好品に属します。
語弊をおそれずに言えば、無くても困らないし、あっても良い。
嗜好品とはそんなものなんです。そもそも持っていなくても良いんですよ。
そして手に取っていただく方に、いろんな心理的な階層を何度も何度も越えて選ばれなければいけません。
でも一生懸命、僕らのことを想って作られた嗜好品は素晴らしい魅力を持っています。
僕らの日常に魔法をかけてくれるんです。
やりたくない仕事も責任を持って出来るようになるし、それで対価を得ることができ、試練を乗り越えてやってきた休日や束の間のひと時に寄り添ってくれるお気に入りのモノたちが、僕らや大好きな人たちを幸せにしてくれます。
モノが溢れていますが、本当に目的を持って生まれてきたモノたちは悪くないんです。
熊本のアーティスト本人たちは身をもってそれを証明しているし、本人たちにはもっともっと高いレベルを目指してもらいたい!
その支援をすることが、ウェブメディアを所有する僕らアートヒューマンプロジェクト熊本にできることじゃないだろうか。
展示会の帰り、そんなことを考えながら帰路につきました。
この記事を書きながら「展示会レポートになっているのか?」と思いましたが、実際に訪れていないと今回の気持ちになっていないはずですし、正直に、あえて分割せずに長々と書いてみました。
これで経費として立て替えてもらった往復の高速代とガソリン代の元は取り返せたでしょうか(笑)
拙い文章を長々と書いて申し訳ありませんが、それくらい心の底から吐き出した言葉たちでした。
ナリマツさんってとにかく”情熱!” ”熱い!”とか、 人柄だけで判断されないように内容も詰めて書きましたよ!(笑)
いやいや、最後までご精読本当にありがとうございました。
これからもこの企画を通じて、皆さんに住んで楽しい熊本と思ってもらえるように、僕らなりに表現を続けていきたいと思います。
今年は運営一同レベルアップを目標にしておりますので、このブログも継続的に更新していきますね。
引き続き お楽しみください^^
ナリマツ