こんにちは。アートヒューマンプロジェクト運営のナリマツです。
みなさんゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?
僕は4月末に農業公園(カントリーパーク)にて開催された【九州蚤の市】に出展してきました。
大変にぎやかなイベントで、僕自身も楽しめることができました。
さて、この【蚤の市】【マルシェ】といったイベント業界のワードですが、熊本でも最近よく聞くようになりましたね。
店舗集合型の屋外イベントといった感じで、様々なジャンルの出展店舗が一定期間中に集まる、とても賑やかな催しです。
個人的には2015年くらいから九州でも増えてきたジャンルのイベントだと認識していて、熊本では今までになかったチャンス(機会)なので、「おぉ~、超有名なところじゃん!」なお店から、「初めて聞いたな~」なんて小さなお店まで一同に見れる”良いとこ取り”できるのが蚤の市やマルシェのポイントだと思っています。
現にDARGOという無名なT-shirtブランドも、おかげさまで九州蚤の市というイベントに出展させていただき、たくさんのお客様とお話する機会がもてました。
でも今、こういった屋外イベントも第一次過渡期に差し掛かっていると推測していて、これから大事になってくるのが出展店舗の住み分けではないでしょうか?
というか住み分けがすでに始まっているような気もしています。
というのも、事の発端は『マルシェに出ても思った以上に売れない』、そして『商品の値段が高いと言われる』という出展側の反応にあります。
出展者も店舗を契約して毎月決まった家賃を支払っていてスタッフにお給料を支払っているプロのお店から、オンラインストアを中心に商品の販売を行っている個人のお店、そして副業としてハンドメイドアイテムをInstgram等のSNSツールを使ってやっている方など、その他も含めて多種多様にいらっしゃいます。
本当にいろんな活動スタイルが存在していますし、責任取るのは本人ですし、楽しいのも本人ですからそれで全然良いと思っているんですけど、最近のイベントでは色んなスタイルのお店が無理に一緒になり過ぎてしまって、僕の周りでは実店舗を所持されている魅力的なお店さんが上記の発言をされていることが多いです。
マーケットの相違といいますか、商品はとても良いモノなのに動きが悪かったり、値段が高いと言われるということは最初から届ける相手が違う場合もあります。
あくまでも僕の推測ですが、そうなっている根端は
・自店舗のターゲット外のお客様をターゲットにしている店舗が、その屋外イベントの出展数の割合を多く締めており、来場のお客様もそういったジャンルの店舗を目当てに来場していること
・熊本での当代随一のチャンスである大型屋外出展イベントの数が適正数より乏しく、高価格帯から低価格帯におよぶたくさんの出展店舗が無理に一緒に並んでしまっていること
かなぁ~と。
僕の経験や周囲の感想を踏まえると、自然発生的に生まれた屋外出展イベントに自然な流れでさまざまな店舗が集まってしまったけど、やってみたら実は住み分けをしっかりした方が店舗や来場者の方にメリットがあるのではということを、なんとなく実感しています。
屋外出展イベント特有のあやふやな”良いとこどり”自体が幻想だったというか、ギュッと結集させるのは良いんだけど、<来場者><出展者><運営側>が満足するためには、実はそこに定義が必要だったんです。
例えば僕が本職にしているDARGOですが、シルクスクリーンを使った手刷りのT-shirtを4500円で販売しています。
並木坂や上通、熊本の街のお店で買い慣れた僕からすると普通の値段だと思いますし、コレが安心する値段なんです。学生のころは12000円のTシャツとか買ってました。
同じクオリティでもウチより価格が高いブランドさんもいますし、僕も原価率はセオリーよりも高く設定しているので、納得して価格設定を行っています。
でもたぶん、生まれてから990円とか1990円のTシャツしか着たこと無い方にはお値段として高く感じると思います。
また、僕も27歳ということで、結婚した友人も増えました。
お小遣い制の友人も多く、『会社の飲み会』『交際費』『DVDとかお酒代』『洋服』も含めて2~3万円の友人が多いです。
月々2~3万円のお小遣いで1枚4500円のT-shirtを購入してしまうと、パーセンテージだと月予算の23%~15%を嗜好品に消費することになってしまうので、結構痛手?
洋服や雑貨は大手量販店で安く抑えて、生活必需品や友人との付き合いを大事にした方が良いと考えるのは誰しもが考えることです。
そして『自社が扱っている商品は大手量販店の安いモノのとは圧倒的な差があり、その魅力を知ってもらいたい!』という気持ちがあっても、現実的に購入してくださるお客様が身近にいなければ継続的な活動は厳しいものです。
売上高=客単価×売上数ですから。
例えば4500円のTシャツでも990円のTシャツでも、購入数が0なら売上も0円です。届ける相手を間違ってはいけないんです。
と、なると熊本県内の野外イベントで思うような結果が出なかったけど魅力的な商材を持つ店舗は、売上獲得と新規顧客様へのPRも含めて、県外のイベントに出展を開始し(経済規模の大きい福岡県が有力)、よほどのメリットが無い限り熊本県内のイベントには出展しなくなるのかな~と、1人でしみじみビールを飲みながら考えておりました(笑)
だって出展して売れない、おまけに値段が高いと言われて買ってもらえないことはマーケットが違うってことです。店舗も運営側も悪くない。マーケットがズレていただけ。活躍できるフィールドじゃなかったってこと。
どんなに魅力があっても、興味が無い人は興味が無い。手に取りません。
こんなこと書いてしまうと「高いって言われたんだろうな~」と思われるでしょうが、はい、言われました。(笑)
まぁ、そこは仕方ないです!
名も無い小さなT-shirtブランドですし、価格以前に価値もまだ十分にお伝えできていませんから。逆にいつも僕が発信する情報を積極的に見てくれてサポートしてくださっているお客様や常連の皆様のために、もっと良いものを作りたい気持ちでいっぱいです。
話を戻しますが、
①出展店舗側も招待されようが自分から応募しようが、しっかりとメリットがあるイベントかどうかを判断すること。
②主催側もイベント内容に確かな目的設定とねらいを定め、出展者をデザインする。何となくちゃんぽんしない。
思うに、良いイベント内容をデザインする上でこの2つが大事になってくるのではないでしょうか?!
目的が分かりやすいイベントほど、足を運んでみて楽しいものはないです。そしてそのために情報発信があります。
呼ぶ側もしっかりと催しの中身を発信し、足を運ぶ側も内容を吟味する。
熊本県内ではたくさんのイベントが開催されていますが、これからは<低価格帯のイベント><高価格帯のイベント>の二極化が進行するはずです。
出展応募型の野外イベントだと出展側が会場や運営母体、前例を元に判断するので、自然とこうなっていくと思います。
二極化後、高価格帯のイベントが熊本で開催されなければ、極端な話、その価格帯がターゲットの店舗さんは県外へ出展するでしょうし、地元・熊本の皆さんにどうやって直接お店の魅力を知ってもらえばいいのかが課題となります。
であれば、逆らうことのできない来るべき未来は自然の成り行きに任せて、イベント二極化後の状況に合わせた課題克服の施策を主催側が打ち出した方が良いのでは?
イベントの出展と運営の二つを経験したことのある僕だからこそ思った感想と推測でした。
個人的には無理に一緒に並べてしまうより、分けてしまった方が良いと思います。それぞれのモチベーションにもなりますし。
でも、付け加わえると、ひとつのイベントを開催することって大変なんです(汗)
みんなのために自分のエネルギーを使うことはとても魅力的だと感じています。僕も運営をしたことがありますし、主催側のパワーはリスペクトしています。開催すること自体が素晴らしいことは忘れずに記載させていただきます。
今では「イベント」は地方の魅力を計るのに必要な要素です。
これからは過渡期を越えて、もっと良くなってほしいという意味で熊本ローカルの発展に期待しています!
そして、『そんなのどーでもいい!やりたいようにやってりゃいいよ!』と自分の気持ちに集中して自分の作りたいモノを作っているのが平成生まれ ゆとり世代の若者たち。
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